腰部椎間板ヘルニアと診断されても手術はちょっと待ってください！

2018年8月4日

腰部椎間板ヘルニアと診断されても手術はちょっと待ってください！

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椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアという名前は1度ぐらい聞いた事があるでしょうか？
「椎間板」は背骨の骨と骨との間にある円盤状の軟骨です。
骨同士がぶつかるのを防いでくれるのはもちろん、脳への衝撃を和らげる役割をしてくれるとても重要なクッション材です。

「ヘルニア」は日本語で突出という意味で、本来あるべき箇所から飛び出てしまった状態を言いいます。
例えば臍ヘルニア《でべそ》、鼠径ヘルニア《脱腸》という事になります。
椎間板ヘルニアというのは椎骨と椎骨との間に本来あるべき椎間板が飛び出てしまった状態のことを指します。

首の椎間板が飛び出た場合は「頚椎椎間板ヘルニア」、背中の椎間板が飛び出た場合は「胸椎椎間板ヘルニア」、腰の椎間板が飛び出た場合は「腰痛椎間板ヘルニア」です。
では、椎間板が飛び出てると何が問題なのでしょうか？

こちらが正常な状態です。
骨と骨の間にある水色のものが椎間板で、黄色の縦に伸びたものが神経になります。
通常であれば椎間板は適度な弾力性があり、脊柱にかかる衝撃を和らげてくれます。

こちらが椎間板ヘルニアの状態です。
水色の椎間板が後方に飛び出てしまって、神経を圧迫しているのが分かるでしょうか？

神経を圧迫することで、腰部椎間板ヘルニアであれが下半身に強いシビレが出現してしまい、前屈時に痛みが発生したり歩くのが困難と予想されます。
ほんの少し飛び出ただけでは神経を圧迫しないので痛みやしびれが発生することはありません。
椎間板ヘルニアでも軽症な方から重症な方まで幅広い症状があるということです。

腰部椎間板ヘルニアの特徴

腰の骨は全部で５つあり、その中でも４番目と５番目の間の椎間板がヘルニアになる場合が一番多いです。
これは日常生活において特に４番目と５番目の間に大きな負担がかかっているからで、咳やくしゃみをしただけで腰全体に激痛がはしることもあります。
その圧迫している箇所の神経は坐骨神経と呼ばれ下半身～足の裏まで走っている神経とつながっているため、圧迫されると坐骨神経痛を引き起こし下半身の痛みやしびれ、だるさ、歩きにくさなどを伴うのです。

中腰での姿勢が原因

主な原因としては椎間板への強い圧力です。
椎間板は、髄核と呼ばれる軟らかい組織と、それを覆う線維輪と呼ばれる硬い組織でできています。
椎間板に大きな負担がかかると線維輪が破綻し、そこから軟らかい髄核が突出してきます。
そして突出した髄核が神経に当たると様々な症状引き起こすのです。
椎間板は１０歳を過ぎたころから老化が始まります。加齢に伴う椎間板の老化の過程で生じますが、急に重い物を持ち上げる、中腰といった日常の動作、激しいスポーツなどの腰への負担がきっかけとなることが少なくありません。
また、喫煙、遺伝（同一家系内に発症しやすい）、精神・社会的側面（不安、抑うつ、結婚生活）や、仕事に対する姿勢（仕事上のストレス、仕事への集中度や満足度、失職）などが深く関与していることも指摘されています。

もしかして椎間板ヘルニア？と思ったらまずは検査！

腰部椎間板ヘルニアの検査と言えば何といってもMRIです。
MRIとは磁力を利用して身体の中を調べる検査で、神経や筋肉など軟らかい組織を鮮明に写し出すため、腰部椎間板ヘルニアの検査には必須と言えます。
他にも状態に応じてCT検査や、造影剤を注射する検査なども行われることがあります。
整形外科などの病院施設で導入しておりますので、まずは検査をしてみましょう。
MRI検査に、筋力検査や感覚検査などの神経的な所見を加味して、腰部椎間板ヘルニアが診断されます。